和室の畳を捨てて、そこにフローリングを施工する工事がありまして、施工を記事にしてみます。
まずは、完成した写真です。出来上がるとこんな感じになります。
普通は、フローリングの張替えだから、まず元のフローリングを剥がすところからスタートですが今回は、和室からのフローリング施工なので畳を撤去・処分しただけで下地が出てきます。
まず、作業スペースの養生です。
よく工事する時に6帖を工事するからその部屋だけ片づければ施工出来るでしょ?みたいなお話がありますが、施工場所以外に作業スペースが必要です。
作業中の現場写真です。
上の写真の右側に移っているのが、私が愛してやまないレーザー光線のスライド丸のこの万能刃装着です。(黒とオレンジの機械)
材料を切るラインに赤いレーザー光線で線を引いてくれて、フローリングの幅で丸のこがスライドして、一気に切れます。
尚且つ、装着されている丸のこ刃が万能タイプで鉄やアルミも切れるので、リフォーム工事で収納のハンガーパイプを切断したり、カーテンンレールを切断したり、見切り材を切断したり出来る優れものです。
切る材料の角度を決めたり、歯の角度を決めたり、自由自在です。
写真に写っているので、私がフローリング工事に使用する道具の半分です。
さて、実際に施工するお部屋です。
ここが畳を撤去したての和室です。
まだ、畳くずが残ってますね。この細かいくずで畳の高さの調節をしていたんですよ。
決して、ゴミではないのです。
さて、この床の上を歩き回るとするか
工事は、工事完了で見えなくなってしまう部分の下地が大事です。
下地が悪いとどんなに綺麗なお化粧をしても、ダメですし、工事の最後の方で
【兼ね(かね)が合わなくなります】
ん?兼ね(かね)? あんまり聞かないですよね。
90度の角度が違かったり、直線が直線でなかったりなどです。
人がやる事なので、多少は当然あります。
リフォームは、その【兼ね(かね)があってないのに合わせて】工事をするか【兼ね(かね)が合わないまま】工事するかを、まず、考えます。
兼ね(かね)を合わせないのに理由があって、わざと合わせてない施工もあったりします。
ウロウロと歩き回ると兼ね合い(かねあい)と下地の痛み具合や不具合や治さなきゃいけない所が見えてきます。感じます。語りかけてきます。
このウロウロの状態は、たぶん私はスッゲー難しい顔して「うーん、うーん」唸りながらウロウロするので、よくお客様に「難しいですか?出来そうですか?」とか心配そうに聞かれます。
完全に自分の世界に入って、目で細かく見て、足で沈みやグラグラを確認しつつ、耳で音を聞いて、手で触って確認してと五感をフルに使っているので、あんまりしつこく聞かれると「大丈夫ですから、黙ってて下さい。」みたいになったりしちゃいます。すみません。現場に入るととたんに職人に変身するので、お客様も戸惑います。
だって、愛想良くスーツ着て見積書持ってきて、工事の説明して、契約してからのあとが作業服で着て、工事開始で現場に入っていきなり気難しい職人ですから、愛想ないし、そりゃお客様も心配になりますよね。(笑)
床鳴りもひどいです。
下地の補修から開始です。
まず、床鳴りがひどいのでその補修です。
床鳴りの原因は、色々ありますが今回は私の足の裏センサーと耳センサーで聞いた音から古くなったクギが緩み床がブカブカして動き、抜けてきた釘と擦れて鳴っていると判断しました。
こんな感じでクギが浮いてます。分るかな?
これをクギをトンカチで打ち込んで、隣に長さ65mmのビスを打ち込んでいきます。
昔は、クギをトンカチで打ち込んで建築していました。現代は、ビスをインパクトドライバーで打ち込んでいきます。
ちなみに、大工用のトンカチを【げんのう】って呼ぶんですけどね。
ちなみに種類によって呼び名が違うので、軽くご説明致します。
中のモーターの力でドライバーを回して、ネジを閉めたり、緩めたりします。あんまり力が無く、木にビスを打ち込むなどビスが長いと動かなくなり、ビスを打ち込めません。あんまり無理やり力掛けてビスを打ち込んでいると煙が出てきます。(体験済)
ただ、力加減をコントロールするダイアルが付いている物が多く、組み立て家具や電気工事などはやりやすいです。
この中で回転盤を打撃する時にガリガリガリとすんごい音がします。
ただ、すんごいパーワーがあるので、上記のような組み立て家具や電気工事で使うと穴のある方を破壊したり、ビスやネジの頭のプラス+の部分が破壊されます。
そんで、こんな感じでビスを売っていきます。
そうするとブカブカで動いていた床がシッカリして、床鳴りもおさまりますました。
しかーし、家康ホームの施工基準に届かないので更に上から元の板と互い違いになるように12mmのコンパネをまた、ビス打ち込みで貼り込んでいきます。
そうすると、高さも合うし強度も増します。防音性能も増すし、断熱効果も増すという良い感じです。
この目に見えない部分が家康ホームさん施工ですね。
出来上がると誰にも分らないんですが・・・・・
際根太を入れるのは、防音材入りのフローリングは裏側に防音材が入っていて柔らかいので、踏むとフローリングが沈みます。
部屋の際は、壁があるので沈む時に壁とフローリングが擦れて床鳴りの原因になります。
だから、フローリングが沈まないように防音材を際根太の分だけ剥がして、際根太の上に来るように施工します。
フローリングの防音材をカッターで切って剥がします。
剥がすというより、むしる感じです。
夜になると握力が無くなって、物を握れなくなるぐらいにひたすらむしる感じです。
剥がすとこんな感じ
写っているのは、私の足です。フローリングを抱いて、写真を撮るとこんなです。
フローリングを全部貼り終わったら、今度は隙間を埋めていく工程です。
あんまり際の壁にフローリングをくっつけて施工しても床鳴りの原因になります。際根太を入れていてもやはり多少は動きます。
そのため、壁とフローリングの間に少し隙間を空けます。
空けすぎると格好悪いし、隙間が足りないとフローリングも木なので湿気や温度で伸び縮みするので、伸びた時に床鳴りがするとなるので、コピー紙が1枚分ぐらいの隙間を空けます。
施工したばかりは、ウッドコークの方が色が明るくていいのです。
ウッドコークは、乾くとゴムみたいになるので汚れて黒ずんできます。
すると違和感なくなります。
普通は、ウッドコークではなく巾木(はばき)というものを壁の下の方に貼って、隙間を隠します。
今回は、和室のフローリング貼り込みなので巾木が入る感じじゃないし、似合わないのでウッドコーク仕上げです。
そんで出来上がりな感じです。
良い感じ。
ちなみにお客さんは、インターネットで工事のご依頼を頂いたのですが、
最初は、「家康さん」と呼ばれてました。
お会いしてからは、「井上さん」になって
工事が完了したら「大工さん」と呼ばれてました。
こんなにこだわって、細かく考えてフローリング貼っている会社ってあるのかな?ってたまに思います。
やってる本人は、面白いし自己満足な感じなんですけどね。
※写真は、似ているけど私じゃありません。